やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
いくら考えても、いい案は出てこなかった。
あまり時間がかかってしまうと、いつ警察が強行突入してくるかわからないこの状況で、全員焦り始める。
「・・・・小夜、こうなったら、真木さんに電話かけたらどうかな?」
サブが、私を見る。
「・・・・大丈夫ですかね?」
私は、不安そうにサブを見た。
私が心配だったのは、この事態が収拾するのではなく、より混乱をする可能性が大きかったから。
「・・・・でも、この状況だと仕方ないんじゃないか?」
「そうですよね。」
私は、仕方なく、真木ヒナタに電話を掛けた。
トゥルルル・・・トゥルルル・・・ピッ
「ひ~ま~だ~ぞ~、小夜、何か面白いことないのか!」
電話に出て、すぐに文句を言ってくる真木ヒナタ。
(・・・・本当に真木さんに教えて大丈夫なのかな?)
私は、真木ヒナタの電話の声を聞いて不安がさらに大きくなっていた。