やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「サブ、泳げるんだろ?」
平気そうな表情で答える真木ヒナタ。
「少々泳げる奴でも、服着てたら、泳げないぞ。」
カンジが、私と真木ヒナタの会話に入ってきた。
「・・・・ですって、真木さん。」
私は、真木ヒナタを見た。
「・・・・サブ、服着てたっけ?」
私を見返す真木ヒナタ。
「着てたに決まってるじゃないですか!どうするんですか!」
私が、焦って、橋の下の川を見ると、見事にサブも溺れていた。
「・・・・・ポチ、サブ・・・バイバイ。」
橋の下の川を眺めながら、神妙につぶやく真木ヒナタ。
「バイバイじゃありませんよ~、真木さん!」
私は、どうしたらいいのか混乱している。
「しょうがないな。」
私が声のした方を見ると、そこには、見事にメタボリックなお腹を出し、トランクス1枚になっているカンジとミチが立っていた。
「ど、どうしたんですか、カンジさん、ミチさん?」
あまりの非日常的な光景に目が点になる私。
「僕、泳ぐの得意、ねぇ、お兄ちゃん。」
「俺も泳ぐの得意、なぁ、ミチ。」
カンジとミチは、視線を合わせ、笑顔になった。
「・・・・・で、どうするんだ、とん足1号、2号?」
バシッ!!
私は、即座に、ミチとカンジをとん足1号、2号と呼んだ真木ヒナタの後頭部を叩く。