やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
第7節:人工呼吸
カンジとミチは、あっという間にサブとポチを助け出して岸に上がってきた。
カンジとミチの見事に豊満な肉体からは、水が滴り落ちている。
私は、カンジとミチの上がった場所を確認して、すぐにその場所に走って行った。
私と真木ヒナタが、カンジとミチのいる場所に到着した時、カンジとミチの足元には、サブとポチが倒れていた。
「サブさん!ポチさん!大丈夫ですか!」
到着してすぐに2人に声を掛ける私。
「・・・・ああ・・・・どうにか生きてるよ・・・。」
サブが、私の声に反応して、体を起こす。
「よかったぁ~・・・。」
私は、サブの様子を見て安心した声を出した。
「泳げないなら、泳げないって言えよな、サブ!」
サブに文句を言う真木ヒナタ。
「えっ?・・・いや、俺、別に泳げないわけじゃないんですけど・・・っていうか、それ以前に答える間もなく、問答無用で橋の上から落とされた気がするんですけど?」
サブが、真木ヒナタを見た。
そんなサブを睨みつける真木ヒナタ。
真木ヒナタの無言の圧力。
当然、サブに真木ヒナタの圧力に耐えられるわけはなく、すぐに目を逸らし言った。
「・・・すいません。俺が悪かったです。」
「そうだよ!わかればいいんだよ!まったく、サブのせいで俺が、小夜に文句言われたじゃないか!」
不機嫌な表情になる真木ヒナタ。