やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「僕も見てたよ。お姉ちゃんが、こっちに走ってくるのを確認してから、倒れたの僕、見たし。」
ミチも、倒れているポチを見ながら言った。
「・・・・まさか、ポチさん・・・。」
呆れた表情で倒れているポチを見る私。
「・・・・そこまで、最低だとは・・・。」
溢れんばかりに軽蔑のこもった視線をポチに向けるサブ。
そして、真木ヒナタは、倒れているポチを軽々とお嬢様抱っこをすると、もう一度、川に投げ捨てた。
ドッブーン!
ゴツッ!
「いた~い!!!何するんですか、真木さん!!!こんな浅瀬で投げ捨てるなんて!!!思いっきり、頭、川底で打ったじゃないですか!!!」
ポチは、元気よく立ち上がると、川底で打った箇所を右手でさすりながら、真木ヒナタに文句を言った。
そんなポチを一同、軽蔑の視線で見つめる。
「・・・・あれ?・・・なんで、皆さん、そんな冷たい視線でアッシを見つめるんですか?」
全員の視線を確認しながら、焦ったような表情に変わるポチ。
「・・・・ポチさん、最低。」
私がつぶやく。
「・・・・終わってますよ、ポチさん。」
サブもつぶやく。
「・・・・死ねばよかったのに・・・っていうか今、死ね。」
真木ヒナタも冷たい表情でつぶやく。