やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・・お、俺のカッコ良さ・・・・?」
私の言葉に先ほどまでダルそうにしていた組長の表情が変わる。
「女にモテる組長・・・・いい響きだと思いませんか?」
さらに言葉を続ける私。
「・・・・女にモテる・・・組長・・・だって・・・・女にモテる・・・・」
私の言葉を繰り返す組長。
その表情は、完全ににやけている。
「・・・・・・そんな組長になりたいとは思いませんか?」
「ないたいです!!」
組長は、元気よくイスから立ち上がると、完璧な直立不動の姿勢になり、叫んだ。
「だったら、部下の機嫌を直すのも、組長の抱擁力の見せ所だと思いませんか?」
「・・・・・それって女にモテるのか?」
私の言っている意味が分からないという感じの組長。
少し疑いの目で私を見た。