やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「当たり前じゃないですか!女性が男性に求めるのは、包容力ですよ!包容力!・・・・それを女性に見せつけるいい機会じゃないですか!!」
そんな組長の疑問を吹き飛ばすように、私は、大きな声で言い切った。
「・・・・・・・なるほど。そうだったのか・・・・俺は、今まで包容力が足りなかったから、モテなかったのか。・・・さすが、腐っても、女だな、小夜!」
うれしそうな表情で私を見つめる組長。
「・・・・念のため、私、腐ってませんから。むしろ、女としてピチピチの16歳です。」
私は、冷たい視線を組長に送る。
「えっ、あ・・・・そ、そうですよね。」
組長は、私の視線から目を逸らしながら、気まずそうに謝った。
「そうだぞ、大和。小夜に失礼だよ。」
珍しく真木ヒナタが、私の肩をもつ。
「真木さん・・・。」
私は、うれしそうな表情を真木ヒナタに向けた。
「小夜は、胸はなくても、女だぞ。胸はなくてもな。なぁ、小夜、胸はなくても女だよな?」
何度も同じフレーズを繰り返す真木ヒナタ。