やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「ああ、ちょっと待ってろよ。」
真木ヒナタは、鉄板のところに行き、焼いた魚の身をお皿に入れて持って来てくれた。
「ほら、うまいから、食べてみろよ。」
「・・・・いただきます。・・・・?・・・・この魚何なんですか?私、食べたことがないような味ですけど?」
私は、魚の身を食べた後で、真木ヒナタに聞いた。
「鯉だよ、鯉!」
笑顔で答える真木ヒナタ。
「・・・鯉って食べられるんですか?」
驚いた様子で真木ヒナタを見る私。
「当たり前だろ?まったく、これだから、裕福な日本人は、ダメなんだよ。」
真木ヒナタが、怒ったような表情になった。
私は、真木ヒナタの過去を思い出し、申し訳ない気持ちになる。
「・・・・すいません、真木さん。」
私は、とりあえず、真木ヒナタに謝った。