やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】

「このお肉、もの凄い美味しいですね!」



私は、隣の組長を見た。



「当たり前だろ。龍一が隠し持っていた秘蔵の牛肉なんだから。」



胸を張って言い切る組長。



「・・・・・・龍一さんの?」



私は、動きが止まる。



(すいません・・・龍一さん。)



しかし、今さら食べかけの肉を戻すわけにもいかないので、悪いとは思いながら食べた。



「おっ、小夜は、チビだから、いっぱい食べないとな!肉入れてやろうか?」



私とほぼ身長の変わらない真木ヒナタが、ステーキ肉を持ちながら話しかけてきた。



「いえ、もう、お肉は結構です。」



龍一さんの秘蔵の肉と聞いてこれ以上食べることなんて出来るわけなかった。



「何だよ?もう、食べないのかよ?それじゃ、魚食うか?」



「魚もあるんですか?」



私は、真木ヒナタを見た。

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