やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「食用じゃない鯉なんているのか?」
「日本では、食用の鯉の方が珍しいんですよ~!どうするんですか、真木さん!」
半泣きで真木ヒナタを見る私。
「・・・屋敷の猫が食べたことにしよう!」
「・・・それしかないですね。」
私と真木ヒナタは、頷きあい、鯉の頭の部分を猫の前に置く。
猫は、うれしそうに、鯉の頭をくわえると、どこかに持って行った。
(ごめんね・・・)
猫に悪いとは思いながらも、他に手がない以上仕方なかった。
「龍一、動物には優しいから大丈夫だろ?」
「そうですね。・・・・人間には、厳しいですけど・・・」
私と真木ヒナタは、顔を見合わせて笑った。
「小夜姉さんは、アッシに厳しいですけどね。」
その時、私と真木ヒナタの後ろから、酔っ払ったポチが声をかけてきた。
「何ですか、急に?私、他の人に比べたら、かなりポチさんに優しいと思いますけど?」
私は、、少しムカついた表情で言った。