やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「・・・・人として終わってますね。」
ため息をつきながら、私は言った。
そして、イスから立ち上がると、組長、真木ヒナタ、サブを見る。
「いいですか!私達は、1億円を稼がないといけないんです!でないと、いつまでたっても、龍一さんの元には戻れないんですよ!真面目に意見を出してください!」
「はい!」
私の説教にサブだけが、真面目に返事をする。
「・・・よく考えたら、龍一の元に戻る必要なくない?」
「だよなぁ~。俺も、そう思うんだけど?」
組長と真木ヒナタが、顔を見合わせてうなずき合う。
「まったくもう!2人は、龍一さんの愛がわからないんですか!」
そう言って執事とハグし合ったことを思い出し、少し頬が赤くなる私。
『わかりません。』
こういう時だけ、息の揃う組長と真木ヒナタ。
「あの~・・・・」
お風呂場から出てきたポチが、暗い顔をして私を見る。