やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「さ、小夜、落ち着けよ。お、俺は、逃げないから。」
「サブさんいても意味ないですよ~。」
つい言ってしまった私。
サブは、私の言葉に傷ついて下を向いたまま動かなくなってしまった。
「ち、違いますよ、サブさん。みんなでやらないと意味がないって意味ですよ。」
必死に取り繕う私。
「そ、そうだよね・・・」
サブは、顔を上げ、元気のない表情でつぶやいた。
「・・・はぁ~・・・まいったなぁ~・・・」
夕方にお店で打ち合わせがあるのに、私とサブ以外いない状況。
どうすればいいのか、私は迷ったが、しょうがなく、決心した。
「サブさんと2人で打ち合わせに行きましょうか?」
「お、俺、頑張るから!」
サブが、決意を秘めた表情で私を見た。
「期待してますよ、サブさん。」
私は、先ほどのこともあるので、出来る限りの笑顔でサブに微笑んだ。
それから、私とサブは、2人で出来る限りのホストクラブに関する話し合いを済ませてから、お店での打ち合わせのために部屋を出た。
予想通り、それまでの間に、組長とポチは、帰ってこなかった。
(もう、あの2人は、夕御飯抜きなんだから!)
私は、心の中でそう決心していた。