やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「んっ?何やってるって、家出するの飽きたから、屋敷に戻って寝てたんだけど?」
当然のことのように答える真木ヒナタ。
「家出って・・・真木さん、何で屋敷追い出されたのかわかってますか?」
「・・・・・・・・・・・確か大和が、ロケット花火で屋敷に火をつけたから。」
「・・・・・・間違ってますよ。真木さんがロケット花火で屋敷に火をつけたんですよ。」
私は、疲れた表情で真木ヒナタに突っ込む。
「あれ~?そうだったかな?・・・だったら、何で俺、龍一の前で大和殴ったんだっけ?」
「・・・・真木さんが、自分の罪を組長になすりつけるためでしょ。それよりも、私達、もう、時間がないから行きますよ。」
私は、サブと一緒に歩き始める。
そして、私達が歩き始めたのと同時に真木ヒナタも私とサブの後をついて歩き始めた。
しばらく歩いた後で私は、立ち止まると後ろを振り返った。
「・・・・まだ、何か用ですか?」
私は、真木ヒナタに尋ねた。
「別に。」
短く答える真木ヒナタ。