やくざと執事と私【第3部 上巻:ラブ&マネー】
「そうですか。それじゃ、私達、行きますね。」
私とサブは、再び歩き始める。
しかし、相変わらず、後ろをついてくる真木ヒナタ。
私は、再び立ち止まり、振り返った。
「・・・・・だから、何か用なんですか?」
ちょっと強めの口調で真木ヒナタに尋ねる私。
「んっ、別に小夜に用はないけど、暇だから、ついて行ってやるよ。」
笑顔で私を見る真木ヒナタ。
そんな真木ヒナタへの回答は、当然、「お断りします。」
私は、丁寧に頭を下げて拒否した。
「遠慮するなよ、小夜。」
笑顔のまま、私に言う真木ヒナタ。
「遠慮じゃありませんよ。切実なお願いです。」
私の気持ちが伝わらない真木ヒナタにはっきりと気持ちを伝える。
「何でサブはついて行ってもよくて、俺は、いけないんだよ?」
いきなり怒った表情になり、真木ヒナタが私に迫る。