ずっと一緒に*先生の青②





青波を抱っこして
公園を出ると
緊張が一気にほどけて
どっと疲れる



予防接種のこととか
評判のいい小児科とか
ためになる情報も
手に入るけど



この気疲れはハンパない



「スーパー寄ってから
帰ろうか青波」


「つーぱ」


「『つーぱ』じゃなくて
スーパー」









スーパーに入り
青波をおろして
買い物カートを出すと


目の前の飲料のコーナーに
ある人を見つけ
青波はトタトタ走り出した



「あ、青波っ!」



私が呼んでも無駄で


「ちゃっじゃきゅー」


青波はその人を呼びながら走る



彼も青波の声に気付き
飲料の陳列から
視線をこちらに向けた



「おお、青波」



両手を広げて
青波を抱きとめたのは
スーパーの店員さんの
多田くん(21歳)



ちゃっじゃきゅー は
青波なりに多田くんと
言っているんだ



青波を抱っこする多田くんに
カートを押しながら頭を下げ




「いつも青波がすみません…」



多田くんはクスクス笑い



「市花ちゃん
なんも いいんだよ
僕、青波カワイイし」



大好きな多田くんに
抱っこされて
青波はご満悦の表情だった





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