わたしの名前は…


帰りの電車内はまだまだ花火帰りの人も多く、
ギュウギュウで…

私は痴漢にあった…



おしりを触る手、
ハゲた中年男性…

「ユウキ…
触ってる…この人…」


「何ヒトの女触ってんだよ!
ハゲっ!!!」


ユウキが私を引き寄せ
後ろから包むようにし、
男に向かって言う。

男は驚いた顔をして背を向けた。

「そっち向いて他の女触んなよ!」



満員電車、
周りにいる女性がみんな騒めく…


男は私たちを睨み、
次の駅で降りていった。


男が降りてからも
ユウキは私を守るように包み込んだままだった。



(ヒトの女…か…)

いつも、自分は2番目…

そう言って
コウキを否定しなかったユウキが、
初めて私を自分の女だと言った…


しあわせで、
このまま電車を降りたくない…




痴漢にあったのに、
私はしあわせだった―――

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