わたしの名前は…
8月8日。
バイト帰り…
私は寄り道をしていた。
いつもなら
バイトが終わったら、
ギリギリで乗れる電車に駆け込み、
一秒でも早くユウキの待つ我が家へ――
と、帰るのだが…
私は宝石店にいた。
ユウキに
誕生日プレゼントを買うために…
「どんなのお探しですか?」
「指輪…」
「男性用ですか?
彼氏さん?
でしたら、こっちの…」
店員は、
シルバーのペアリングを何点か出した。
私の財布の中を思ってか
2つで2・3万の…
「あー…」
そういえば、
いつかコウキがシルバーリング欲しがってたっけ…
「じゃあ、コレ…
だけ…」
「え?あ、はい…」
男性用だけ指差した私に、
つまらなそうな顔をする店員。
「あと、
もっとちゃんとしたペアリング見せて。
その辺出してくれますか?」
「え?
あ、こちらはちょっと今出したものより
お高くなりますけど…」
「だから?」
不信な表情の店員。
「1つ5・6万ですけど…」
どこまでも
私には払えないと言わんばかりの店員…
「うん、見れば解る。」
お金なら惜しくない、
ユウキに使うなら。
「コレ。」
「はぁ。
よろしいんですか?」
「よろしいんです。」
大丈夫かよみたいな顔の店員を睨み、
レジに向かった。
1人で見ていたときから、ほとんどそれに決めていた。
「3点で、13万8000円です。」
そう言って
顔をあげた店員の目は、
私の財布から離れなかった。
「はい」
現金を見て、
驚いた顔をした後、
急に態度が変わる店員…
「こちら保証書になります。」
なんだかんだ笑顔で説明し、
「ありがとうございました。
またお越しください。」
二度と来るか!!
ユウキとペアのリング…
何だかうれしいのに、
頭にくる店員だった。