わたしの名前は…
言葉はでないのに…
あふれる涙…
「産めば?
もしかしたらもう妊娠できないかもしれないんだろ?
オレのせいでまた殺したとか言われたくないし。」
涙を見ても、
そう言うのが精一杯?
ホントにそれが本心?
違うよね?
私が不安にさせたから…
ただ、今だけだよね?
そのうち
ちゃんと分かってくれる…
だって
愛し合ってるもん―――。
「うん、産むね…
私の大好きな人の子、だから…」
それからも
コウキは自分の子として認めることはなかった…
どこの産婦人科に行こうか相談しても、
「あぁ…
どこでもいいんじゃね?」
「男の子かな、
女の子かな、
名前考えなくちゃね!」
と言えば
「そんなことよりさぁ!
この間ナルセがさぁ!」
と話をズラしてみたり…
大丈夫、
ママがいるから。
パパはちょっとスネてるだけだよ…
ちゃーんと君を愛してるからね。
大丈夫だよ、
安心して産まれておいで―――
きっと君の顔はパパ似だよ。
君を見たら、
パパのが絶対メロメロなんだから!
コウキの態度を責めない。
そのうち解ってくれる…
そのうちちゃんと、
私たちを愛してくれる…
そのうち…
そのうち…
呪文のようにいい聞かせ、
ズラされた話にアイソ笑いする私…
そのうち…
そのうち…
そのうちちゃんと
大きな口開けて笑える日が来るはず―――
そのうち…
の呪文は、
あの日コウキに
いとも簡単に解かれた――