わたしの名前は…





「コウキ、帰ってますか…」



あれからずっと
コウキの携帯に、繋がらない…

私の携帯を着信拒否、しているらしい…




「あぁ、サキちゃん?
んー…コウキねぇ、
いるけど、あなたの電話に出たくないって言うから…」


コウキの母は、
私からの電話をコウキに繋ごうとはしなかった。


「そんなに話したかったら、どうして次の日無理矢理にでも迎えに来なかったの?」

と、私が悪いとのこと…



この母に、この子あり…



「男はねぇ、付き合いもあるの。
帰りたきゃ、帰るでしょ?
あなたが、コウキが帰りたい家じゃなくしたんじゃない?(笑)」

「お義母さんは…
何も聞いていないんですね。」



義父は小さな会社を経営している…

月の稼ぎは、コウキの数倍…


義母は仕事なんかしなくても充分裕福なのに、暇つぶしのようにパートをしている…


義母はお金に困ったことなどない。

義父がギャンブルで暇つぶしするのと、

コウキが借金して、

カナムのためのお金まで使ってギャンブルするのと一緒にされても…


義父が飲みに行って、
太っ腹にみんなにおごるのと、

借金して飲み歩くコウキと一色丹にされても…



義父も、義母も、
コウキの借金のことを全く知らなかった…




世の中には、
お金を湯水のように使ってもいい人間と、
そうじゃない人間がいるんですよ、お義母さん…

湯水のように…ってのは、
お湯や水があるのが当たり前な環境の人で…

コウキのように、
砂漠を掘っても出ない人、
出てもすぐ枯れる環境、条件の人は
湯水も節水しないと生きていけないんです…



それを…

裕福に育てられ、
誰も周りに教えてくれる人がコウキにはいなかった――

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