わたしの名前は…

その日もコウキの腕の中にいた…


変わらずあたたかいコウキの腕に抱かれ、
やわらかにキスをし――


幸せの中に、私はいた――

コウキがこう切り出す迄は――






「なぁ、サキ…」

「ん?」

「オレ達、
毎日会ってんじゃん?」

「うん、何?」

「…うん、でさ、
オレ思ったんだけど
お前さ、いつ生理きてんの?」





………。





キテナイ…


1月のはじめが最後――



もうそれから2回目の生理が来る頃だった




「…きて、ない、ね――」

「はっ?いつから!?」

「あ、でも、何だかんだ忙しかったし!
もともとあんま規則正しくないし!さ…」


「ホントかよ?
妊娠… 調べろよ!?
明日買いに行くぞ。
ちゃんと調べろ」




アリエナイ…

だってどうするのさ…
今はムリだよ…

頭の中を
教師達のあの笑顔がグルグル回る…

親の笑顔がグルグル回る…


ムリだよ、あまりに
期待と私を誇ってくれる気持ちが大きすぎて

それを裏切るのは
どう考えてもムリだ…

次の日、
コウキに連れられ
自宅や学校から離れた薬局へ――



「買えないよ…
だって、どうすんの?
もし―――」

「オレが買ってきてやるよ」

「だって――」





私を残し、コウキは独り、薬局へ行き
小さな紙袋を持って帰ってきた…


「家帰るぞ。
ただ遅れてるだけかもなんだろ…
傍にいるから…」
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