eye line
僕は身体障害者という言葉が嫌いだ


もっと別の呼び方はないものかと、そう思ってならない




朝から外は暗く、雲が空を呑み込まんとばかりに覆う


雨がアスファルトに激しく打ちつける中、教室へと少し駆け足で向かう


だだっ広い教室の後ろの方で、傘をたたみイスに腰掛けた



と、間もなくチャイムがなり一日の授業が始まりを告げる





そして退屈な授業が終わりを迎えそうな中、白髪混じりの心理学の先生が、ふと身体に障害をもつ人たちについて話し出した


「生まれながらに障害をもつ人たちは、健常な人たちよりずっと一生懸命に一日一日を生きている


そして凄く純粋な心を持っている


けれども普通じゃないという理由でイジメにあったり無視されたり、社会から除け者にされたりもする


そんな世の中を頑張って生きているんだ」と












僕はすぐさま彼女にメールした


内容はなんてことない世間話だった




返事はすぐに返ってきた


内容はいつもの明るい彼女の性格をあらわしていた



彼女は僕の前でいつも明るく、よく笑っていた


そして僕は今現在の明るく元気な彼女しか知らないし、それが彼女自身なのだと思っていた










幸いにも教室は広く閑散としていた




授業を終え外に出ると雨は既に止み、雲の隙間から覗く太陽が、木々を虹色に染めていた
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