君にもらった苺飴



 
 ぐっとこらえた。

 
 何かが拒んだのだった。



 私は今…きっと光瑠君に
 助けを求めている。


 ずっとずっと…
 我慢してきた。

 
 でも来ると思ってたんだ。
 “限界”というものが…。

 それがちょうど今来たんだ。
 
 
 もう我慢の限界なんだ。



 『何か話したいんでしょ?
  ここじゃ無理かな?』

 「…」

 『外で話そう』


 
 膝の上に置いてあった
 私の手がふわっと浮いた。

 光瑠君の温かい手が
 私の手を包み込んだ。

 大和先輩とつないだ時とは
 違う温かさ…温もり。
 
 

 光瑠君の優しさに包まれた。


 
 一気に安心して、
 涙が溢れそうになった。

 けど、泣いてはいけない。

 そう思ってこらえる。
 また、我慢する。


 

 
< 30 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop