君にもらった苺飴



 少し早歩きで来た場所は
 裏庭のベンチ。

 
 光瑠君は、すぐさま
 ベンチに腰を下ろす。


 『さ!言いたいことあるんでしょ?』

 「……言いたいコト?」

 『いいよ、言っちゃって…
  愛紗美チャンがスッキリするなら
  俺は聞くよ?』

 
 相談とかなのかな?

 このモヤモヤを言葉にしても
 いいのだろうか?

 光瑠君を傷つけてしまうことにはならないのだろうか?


 そう考えると、口が思うように開かない。



 ちらっと光瑠君を見た。

 すると光瑠君は、にこりと
 微笑んだ。


 「あ…のね」

 
 やっと口を開いた。

 光瑠君になら言えるのかな。
 今、自分が思ってることを。


 「大和先輩に彼女が出来てた…」

 
 一言言ったんだ。

 たったこの一言。
 口にするのが怖かった。
 
 
 『愛紗美ちゃ……』


 光瑠君が言葉を止めた。





 
 
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