ひきかえせない・・・
誠吾のLIVEの日がやって来た。
前夜は、眠りが浅くて、何度も夢を見た。
もちろん誠吾の夢・・・。
4人で昼食を食べてから、しばらくして夕食の支度を始めた。
夫に留守番をお願いするけれど、夫は料理が出来ない。
ハッシュ・ド・ビーフを作るのに、1時間ほど必要だった。

家事をしていると、気分的になかなかLIVEに行くモードにならない。
夫が仕事に行っている間は、1日中とも言っていいくらいCDを聴いているけれど、休日となるとそうもいかない。
動きやすい洋服に、小さなショルダーバッグを選び、必要最小限の物を詰める。
普段、化粧はあまり好きじゃないから、ファンデーションとアイブロウだけで、色のあるものはほとんどつけない。
でも、今日は違う。
下地からきれいに塗り、アイシャドウにチーク、アイラインにマスカラまで・・・。
口紅も若干明るめのものを選んだ。
初めての場所だからと、かなり早い時間に家を出た。
夫が子ども達を公園に連れて行ってくれている間に家を出たので、泣かれずに済んだことが救いだった。

LIVEハウスの前に着くと、かなりの人が集っていた。
勝手の分からない私は、ひとりで来ていると思われる同年代の女性に声をかけて、入場までの並び方などを教えてもらった。
開場まで、あと1時間・・・。
ドキドキしながら、誠吾に会える時間を待つ。

整理番号を区切っての入場が始まった。
私は、2番目のグループで比較的前方に陣取ることが出来た。
マイクの正面に行くことも出来たけれど、あえてステージから見て左よりの場所を選んだ。
理由は・・・、恥ずかしいから・・・。

会場内が暗くなり、ステージに灯りが灯ると、誠吾の姿がそこにあった。
『原 誠吾』ではなく、すでに『ハラ セイゴ』になった彼が・・・。
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