草食君の説明書★

「人の彼氏悪く言うな!」


「彼氏って言わんやろ。まずこんなの、読んでる時点で。」





泰助の手には、ピンクの一冊の本。
それは、確かにあたしの鞄の中に入っていた奴で…。





「!!Σちょ、何勝手にあさくってんの人の鞄!!」


「だって面白そうやったもん♪草食君の取説なんて。」


「悪かったね。」





必死に笑いを堪える泰助を横目に、"草食君の取説"を奪い返し、鞄へしまった。

だってだって!!!
携帯持ってないし、あの子…
学校じゃ逢ってくれないし、あの子…

自分じゃどうやって行動していいのか、いい加減分からない。

そんな行き詰まった時に見つけた取説。

もうあたしとっては聖書よ、聖書!!

って言っても、実行した事ないから効果があるのかは、不明だけど(笑)





「案外可愛いとこあるやん。」


「はっ!!!!!!」


「ななな、なんや?!」





自分の耳を疑う。

あの生意気エセ関西人が…

あたしを"可愛い"って……?!
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