草食君の説明書★
「簡単に言えばや…、向こうはそんなにお前の事好きやないんとちゃう?」
「………え?」
「同情入っとるかもしれんって事や。」
一瞬にして、頭が固まった。
同情って…、同情?
そ、そりゃ確かに…和馬は誰に対しても優しい。
逆に優しすぎて恐い。
だって大抵、勝手に待ってても一緒に帰ってくれるし。
寄り道したら、必ず何か買ってくれるし。
それに、あたしのワガママを聞いてくれる。
当日にいきなり何処か行こうとか…
いきなり逢いたいとか…
様々なワガママがありますが。
大抵『いーよ。』で終わる。
あの子に感情があるのかと、最近本気で考えてしまう。
『まぁ…和君やけ、しゃーないか。』
『か、かずくん?!』
聞き慣れないその呼び名。
でも泰助は当たり前の様な顔をしてる。
「俺和君知っとるし。あのスーパーお人よし。」
「スーパーは余計。」
「んじゃ草食系お人よし。うわ、恋愛不向きやん。」