草食君の説明書★
「そんなわけないか♪」
後ろから聞こえた声に、振り向かずに直進。
変に期待したら、バカみたいじゃん。
「待てって、梓。」
「…!か、和馬?!」
名前を呼ばれ振り返ると、本物の和馬がそこにいた。
「絶対わざと無視しただろ?」
少し怒って言ってますが和馬君?
あたし無視してないし!!
「なんでこんな時間までいるの?」
「へ?…なんとなく?」
何故疑問形なんだあたし!
よく見ると和馬が肩で息してた。
まさか…?
いや、そんなはずないない!
「ねぇー和馬?こっちの道でいいの?」
「何が?」
「だーかーらー。バス停こっちじゃないでしょ!」
「そうだよ。知ってますが?」
何そんなに怒ってるわけ?
和馬の基準はよく分からない。
「ったく、人の名前呼んだくせに先に行くなっつーの。」