秘密の同居
夏木君は怪訝な顔で冷たく答えた。
「……夢見すぎ。」
「怜ってば。
愛美ちゃん知り合いの人にもそう言われたって言ってたんだから。
確かに現実ではあんまりいないかもしれないけど、そういうのに憧れるのはいいじゃない?」
“知り合い”の発言に気まず顔で夏木君は曖昧に頷いた。
知り合いにも…ね。
まさかそれと俺が同一人物だなんて思わねぇよな。
小さい自分の彼女をチラリと見つめて複雑な想いを胸に閉まった。
そんな会話と想いがあったなんてを知らずにあたしは教室にいる友人二人にもひろちゃんと同じ質問をしようと早足で廊下を歩いていた。