僕の街には今日も雨(涙)が降る…。
「…失礼します…あれ、先生…ベッドに行くか…」

 優都は陸上部のキャプテンで足も速く体力もあったので飛夏羽を背負って走
るのなんて軽い事だった。

 優都は飛夏羽をベッドに下ろし、保梓が来るのを待とうとした。

「…優…都…」

 飛夏羽に名前を呼ばれて、優都は飛夏羽の寝ているベッドに戻ってきた。

「…飛夏羽ちゃん?」
「…優都…ごめん…ね…」

 飛夏羽は寝言で呟いて目から涙を零していた。

「…飛夏羽…」

 優都は飛夏羽から目を逸らし、子猫を飛夏羽の近くに置くと急いで保健室を
出て行った。
< 68 / 73 >

この作品をシェア

pagetop