PEACE
「な、なんなのあれ……っ!」
憎しみのこもった目で、奈久留は男を見つめた。
体を痛めたファルコは、奈久留の腕の中で気を失っていた。
「絶対謝らせてやる!」
怒りを抑え切れない奈久留。
考えるより先に足が勝手に動いていた。
「ちょっと待ちなさいよ!」
遠ざかりつつある男達を追い掛ける。
だが、ここは街中。
人の流れが邪魔をして追いつけなかった。
走ること数分。
奈久留は人通りの少ない通りに出ていた。
さっきの町並みとはうって違い、廃墟が建ち並んでいる。
「さっきと全然違う……」
あまりの変化に、奈久留は驚きを隠せなかった。
「放せよ!」
静かな通りに、女の声が響いた。
(あれ? この声って)
どこかで聞き覚えがあるような気がした。
動かないことには何も始まらない。
奈久留は思いきって声の聞こえる方へと歩みを進めてた。