PEACE
「くそっ! よくもっ!」
仲間が倒れたのをみて、男達は一斉に奈久留に飛び掛かる。
「ちょっと! 女の子一人に対して男複数なんて卑怯じゃない!」
奈久留は反論をするが、男達は無視をして、次々と剣を振り回す。
「ファルコをお願いします!」
男達の隙をみて、いつの間にか解放されていた瀬梛に奈久留はファルコを頼む。
瀬梛にファルコを預けると、奈久留は再び戦場に戻る。
(この人達、結構……弱い?)
あまり本気を出してない奈久留の剣に、男達は倒れてゆく。
最後の一人を倒した時、背中に小さな違和感を感じた。
「そこまでだぜ?」
背中に、剣の先があった。
(しまった! 油断してた!)
なぜ気付かなかったのだろう。
瀬梛が解放されていた時に、気づくべきだったのだ。
奈久留の背後には、瀬梛に暴力を振るっていたあの男がいた。
「随分と暴れてくれたみたいだな? でも、それもおしまいだ」
さっきまでの男達は、どこか抜けている感じがあった。
だが、後ろにいる男からは、ビリビリと痛いほどに殺気を感じる。
(この人……本気だ)
ゴクリと唾を飲む。
(このまま、……殺されちゃうの?)
汗が流れ、体が震える。
カチャリと剣の先が動き、小さな鋭い傷みが走った。