憂鬱ノスタルジア
馬車に戻ったレインは、深い溜め息を零す
それは助けられなかった後悔と小さな疑問
─雇われただけだと
あのヴァンパイアは言っていた…、誰に…誰に頼まれたんだ…
腕の中にいたジゼルは、疲れて眠ってしまっていた
その寝顔にレインは自然と笑みを浮かべる
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「そうか、やはりノスタルティだったか…
わかった。
良くやったな」
電話を切った男は、赤い血が入ったワイングラスをゆっくり回す
「ククク―…レイン…、待ってろよ…?
俺が力を手に入れるのも、もうすぐ……」
暗闇に包まれた部屋
淡いキャンドルが部屋全体を照らしていた
2.事件の予感 fin─
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