ずっとスキ。

「・・・・・美咲・・・・・・」
悠真が口ずさんでいた。
「美咲」って何度も言っている。
聞き違いじゃない。
美咲って・・・言ってるんだもん。
あたしは下をむいて耳をふさいだ。
「明莉！？どうした？」
あたしの異変に気づいて話しかけてくれた。
「なんでもない。」
悠真にとって１番大切なのは美咲。
だから、あたしより美咲と一緒にいたいって思うのは当然のコト。
それなのに、どうして今更悲しくなるんだろう。
「悠真ー！俺もＡ！」
「おっしゃー！岩見じゃん！」
あたし達のグループの男子のもう１人は、岩見翔太。悠真の親友。
「よろしく蓮見！」
誰にでも平等で、気軽に話しかけてくれる岩見は話しやすい。
だから、良かった。
もう１人は誰だろう・・・。
「悠真！同じ！」
小走りにかけよってきた可愛らしい女の子。
・・・美咲。
「マジで！？あーもうマジ最高じゃん！」
悠真は美咲に抱きつかれて、抱き返していた。
教室でいちゃつくなって感じ。
いちゃ・・・・いちゃつくな・・・・。
涙があふれ出しそうになる。
でもそれを必死におさえて、平静を保ち続けた。
「ラブラブだね。俺ら出る幕ないわ！」
岩見があたしの耳元でそういってきた。
そんな事知っている。
あたしが無謀な恋愛しているってコトも。
「岩見。今、話かけないで。」
あと少し声をだしたらこぼれていた。
岩見には悪いけど、涙は見られたくないんだ。