プラチナの誘惑
おいしそうに飲む壮平の横顔を見ていると、初対面に近い人達の中で背負っていた緊張感がほんの少し解けた気がする。

そして、昨日の今頃は。

昴がおいしそうに飲む横顔を眺めてたんだな…。

ふっと気が緩むと思い出す唇の温かさに鼓動が跳ねてしまう。
とくとくと勢いづく音を壮平に気づかれてるんじゃないかとドキドキする。

今頃…。
昴はどうしてるのかな。

明日、創立記念パーティーの買い出しで会えるけど…。
今どうしてるのかわからない昴との関係の細さを感じて寂しくなる。

夕べのキスの意味も…。

わからないなりに考えたけれど。
昴の気まぐれとしか思えなくて…また寂しくなる。
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