僕の明日みんなの明日
一歩外に出ると体全体に熱気がぶつかる。もう季節は完全に夏だ。まだ7時なのに暑過ぎるぐらい暑くて、なんだか学校に行くのに足が重たく感じてしまう。

けどもう少しで夏休み、夏休みがくるのはとっても嬉しい。だけど今年の夏休みはお母さんとお姉ちゃんはいない、きっと去年より淋しい夏休みになると思う。だけど夏休みは楽しみだ、きっと楽しい夏休みなるはず。

『おーい、浩太。』

後ろからの聞き慣れた声に振り向くと後ろから同じクラスの八田 文雄(ヤダ フミオ)が走って来た。

『文雄、おはよ。』

『オッス、どしたんだ?ボーっとしてさ。』

『今日も暑いなって思ってさ。文雄こそいつもと学校に行く道が違うじゃないか。』

『俺、昨日は婆ちゃん家に泊まったんだよ。両親二人で旅行に行っちまったんだ。ひでーよな、子供ほったらかして旅行なんてよ。』

笑いながら文句も言う文雄と一緒に学校へ向かった。今日文雄に会えたのはラッキーだった。この熱いアスファルトの上を一人で歩くのは結構キツい、誰かと話しでもして気を紛らわさないと地獄だ。

文雄と蝉の合唱を聞きながら昨日あったアニメ番組の話で盛り上がっていた。すると文雄が急に話を変えた。

『そういえばさ浩太、知ってるか?明日うちのクラスに新入りがくるらしいぜ。』

『えっ!?明日?』

おかしいな、もうすぐ夏休みなのにこんな半端な時期に転校してくるなんて。次々に浮かんで来る疑問は学校に着くまで続き、それからは転校生の話で盛り上がった。
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