ラブリーホーム*先生の青③




一通り動物を見て
園内の広い芝生の上
レジャーシートを敷いて
お弁当を食べる事にした




「青波が一番喜んでたの
オランウータンだったね」


青波がキャッキャと喜んだのは
象でもライオンでも
猿でもウサギでもなく
オランウータン


なんとなく
その事実がショックだった
(オランウータンに失礼?)



おにぎりを食べながらパパは



「ボクはお許しが
得られたのでしょうか?
イチお嬢さま」



そう いたずらっ子みたいな視線を私に向けた



「さあ?わかんない」


首を傾げると


「なんだよ、それ」って
眉をしかめた



それから
カボチャの茶巾を
むぐむぐ食べる青波に
視線を移し



「お前さ、いくら青波が
すぐ大きくなるからって
あまりデカイサイズの服
着せるなよ


それ、ハーフパンツなのに
裾しっかり
足首まで来てんじゃん」


「え、違うよ」


確かにワンサイズ
大きめの服を買うけど


「ズボンはね
ウエストにサイズ合わせると
裾が長くなるし

裾にサイズを合わせると
ウエストがピッチピチなんだよ

だから仕方ないでしょう」



私が憮然と答えると

「青波は確かに
よく食うからな」


パパはおかしそうに笑った





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