ラブリーホーム*先生の青③




「青波は食べることに関しては優秀だもんね

結構、何でも食べてくれるから
助かるよ

食の細い子だったら
やっぱり食事にいろいろ
気を遣うから大変みたい」



「おおっ、褒められてるぞ
青波、良かったなぁ」



パパに わしわし
頭を撫でられて
青波は ニヘッと笑った



「でもさ、
生まれたばかりの時は
オレすごい心配したんだよ」



「心配?」


私が訊き返すと
パパはニィって
ちょっと意味ありげに笑い



「真夜中に乳搾りながら
『牛ってすごいね
偉大だよね』なんて
真顔でお前が言ってるからさぁ」



言ってる途中で
パパは爆笑した



「乳搾りって言わないでよ
あれは搾乳………」

カァ―――――っと
顔が熱くなりながら反論する
だけどパパは
ますます面白がって


「同じことだろう?

青波の吸う力が弱いのか?とか
抱き方が悪いのか?とか

オレもお前の話
真剣に聞いてさ

あの時はお互いに
深刻だったのに

今、思い返せば
滑稽だよな」



パパは うくくと笑いながら
「真夜中に『牛は偉大』って」
と もう一度 言った




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