ラブリーホーム*先生の青③




いやいや
そんな解説どうでもいいよ



い、市花ちゃん
あんまりだ………(号泣)




ショックでよろよろと
イチの枕元に座って
ふたりの寝顔をながめる




………おんなじ顔で寝てるよ




青波は目を開けると
オレに似てるけど
寝顔はイチそっくりだ



……それってなんだか
不思議だよなぁ




イチが あんまり
幼い顔で眠ってるから
さっきまで みなぎってた
ヤル気も全部 しぼんでいく




……でも、ほっぺに
チューくらいは



そう思って
ぐっすり眠るイチの頬に
チューすると



「んんーっ」と
思い切りイヤな顔をされた



うーわ
かなりショック



くそ
今夜はここで寝てやる
枕持ってこよう…………



立ち上がりかけたら



「………ん、ふ……ふぎっ…
……ふえ……んぎ………」



あれ、青波 起きちゃったよ



「……ふ、んえ―――――」



「はいはいはいはい」


泣く青波を
タオルケットに包んで
抱き上げ
オムツを持って寝室を出る



リビングでオムツを替え
抱っこして
ポンポン
お尻をたたきながら
部屋中ぐるぐる歩きまわり




「たまにはママを
寝かせてあげようよ
……お互いにね」



腕の中
濡れたまつ毛で
パシパシまばたきして
青波は指をしゃぶり
オレをじっと見上げてた




……イチも大変だよな
男ふたりが夜な夜な
甘えてくるんじゃあ……



苦笑いして
うとうとし始めた青波を抱き
暗い部屋をゆらゆら揺れながら
歩きまわった




一晩イチが
ゆっくり眠れるように





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