ラブリーホーム*先生の青③




パパの部屋で
ベッドカバーをはがす


掃除の間
青波はおんぶ
私の背中で
足をジタバタさせてる



だって1人にしてたら
勝手にいろんなところ
開けていじるし




パパのベッドを見てると
夕べの記憶が生々しく……



もちろん
抱き合った甘い記憶ではない


エリナのメールのおかげで
先生との甘い時間が
とってもおぞましい物になった



丸めたカバーを持って
部屋を出るけど
戸口で振り返り



………ガサ入れする?
何か見つかるかな?



いや、ガサ入れするくらいなら
夕べメール見りゃ良かったのに



首をブンブン振って
脱衣場の洗濯機に
シーツを入れる





「……じゅっちゅー
じゅっちゅーちい」



洗濯機が
ゴオンゴオンと
回り出したら
青波が背中で
ジュースが欲しいと言って



「じゃあ、ジュース飲もうか」



「じゅっちゅー」




リビングのテーブル
リンゴジュースを
アンパンマンの
プラスチックのコップで出す


座ればプヒーと鳴る
子供用の椅子に座り


「ちゃっきまー」



いただきますを
ちゃんと言って
ごくごく青波は飲み始める




…………エリナ
…………エリナって何者だろう




リンゴジュースを飲む
我が子を見つめ
頬杖をつく



…………ダメ
やっぱり気になる



青波に
アンパンマンのDVDをかけ
パパの部屋に戻った





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