先生のビー玉
車を開けると…

「先生…普通に置いてるし…」

鞄を取り、職員室へ向かおうとしたときである。
中庭を掃除する用務員さんがいた。

「こんにちわっ」

いつものように声をかける佳奈。

「お、休みなのに学校か?」

「いえ、今日は部活の競技会でK学園に行ってたんです」

そう答えると、

「ほぉ、競技会。
で、成績はどうだったか?」

「全体では、6位だったんだけど、個人で10位にはいっちゃった!」

Vサインをする佳奈。

「ほぉ…入賞か?すごいな」

目を細めて笑うおじさん。
佳奈は、掃除時間にいつも彼と話をするのが日課だった。
というのも…
彼を見たいがために、職員室近くの掃除当番になっているだけのことなのだが…
すると、

「戸田?鞄あったか?」

職員室を出てすぐの渡り廊下から下をのぞいて言う彼。

「お、先生が呼んどるぞ」

「あ、忘れてたっ。それじゃ失礼しますっ」

頭を下げて階段を上る佳奈。
手を振るおじさん。
佳奈もそれに答えると職員室に入った。

「用務員のおじさんと話してた」

佳奈が言うと、

「あぁ、一人でなにをやってるかと思った。
おじさんも大変だよな。休日出勤なんてな」

彼は感心していた。

「という先生も休日出勤だよ」

佳奈が言うと、自分を指さし、大きく頷いていた。
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