先生のビー玉
「佳奈?あんたっ、佳奈になにしたのっ!」

走ってやってきた恭子、孝司の胸倉をつかんで怒鳴りつける。

「別に」

「別にじゃないでしょっ
女の子泣かして…絶対に佳奈に話しかけないでっ!
近づかないでっ!
傷つけないでっ!」

恭子も怒りでわなわなとふるえている。
そして…

「何が何にもしないよっ
やってんじゃんっ!
最低っ!」

後からやってきた竜太郎に怒鳴りつける恭子。
状況が把握できない竜太郎、孝司を見る。
その表情を見…

「何やってんだ?お前」

そう呟いた。

「悪かったよ佳奈ちゃん。
申し訳ないっ」

頭を下げる竜太郎。

すると…

「佳奈、帰ろう。
言いたいこと言えたんでしょ?」

頷く佳奈。

「そういうこと。
佳奈にはちゃんとした彼がいるの。
だから、これからもこういうことは絶対にやめて」

そう言い、

「もう来た?今から行くし」

かかってきた電話に出ると学校を出てすぐ見たこともない車が停まっていた。
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