先生のビー玉
「お前知らないのか?」

田村が貴子に言う。

「何が?」

きょとんとする貴子。

「あぁ…お前は興味なさそうだな。
彼女、池田先生の奥さんだ」

と田村に言われ、驚く貴子。
一時期は騒がれたようだが…貴子も佳奈も興味がないので知らなかったのだ。

「だから…」

納得したように貴子が言うと、

「でも、佳奈ちゃんどこに行ったのかしら…」

朋子が言うと、

「まぁ、戻ってくるだろ。
ありがとうな」

田村は言い、職員室へ戻ろうとした時である。

「ちょっと待って…直子ちゃん、さっき何か言ってたわよね…」

「は?」

「ほら、彼女が誰かと歩いてたとかなんとか…」

朋子が直子に問う。
暫く考えた直子。

「あぁ、名前は浮かばないんですが、もと生徒会の優等生と一緒に歩いてたってやつですか?」

その瞬間、田村と貴子が顔を見合わせた。
< 424 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop