ツンデレ彼氏サマ


隣で宙くんと直太先輩が言い合いをし始めた。

ついていけない。でもきっと私が何かを言ったから始まった言い合いだ。


謝るべき?逃げるべき?


「こいっ紗耶香」

「へっ!?あ、ちょっと…!」



眉を寄せて顔を耳まで真っ赤にさせた宙くんは私の腕を引っ張るなり急いで自分の教室を出た。


クラスメイトから「宙やる〜」とか冷やかしの言葉だったり、口笛をふかれたりしてたけど、宙くんは相手にせずどんどん進んだ。



「―――だから、嫌なんだ」



進み行く先は普段使われない非常階段だった。


チャイムも鳴って一限目も始まった。


………いいのかな。


「宙くん…?」

「……なに」

「あ、と……ご、ごめんさない…」

「何が?」


何、って。わかんないけど…。怒ってる、でしょ?


ちらっと目を動かして宙くんを見ると、赤みは引いていたけど寄せている眉は相変わらずで、ちょっと怖かった。
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