雨のあとに
あたしは今すぐアレクの所に行って真相を確認しにいきたかった。だけど、お父さんが焦るあたしを止めた。

『騒ぎの裏には必ずマリアが関わっている。マサルドリア女王というのも十中八九雨になりすましたレインに間違いない。今は焦らず慎重に行動するべきだよ。』

お父さんの言っていることは正しいって分かるけど、あたしは納得ができないという顔で頷いた。

そしてあたし達は街の宿に留まることにした。宿の部屋に入ってからあたしはお父さんとシーバーの前をウロウロして落ち着くことがなんかできなかった。

マサルドリアで大切な人々が傷ついた。だからアレクが…大切な友だちがキズつく姿なんか見たくない!

やっぱり今すぐマリア達の所に行ってレインを止めたい、みんなを守りたい。あたしの焦る様子を心配したシーバーが声をかけてきた。

『やはり落ち着きませんか?レイン様が近くにいますからね。ですが、セイシロウ様の気持ちも分かってあげてください。誰よりも一番焦りや責任を感じているのは、あの方がなのです。』

『そんなこと…分かってる。』

分かってるから余計に焦るんじゃない。お父さんはレインが誰かをキズつける度に責任を感じて自分を責める。

レインだってきっとキズついてる、あの子は本当は優しい子だから。マリアを倒さない限りレインとお父さんは苦しみ続ける。

この悪夢を早く終わらせなくちゃ。お父さんの為、レインの為、みんなの為、そして自分の為に。
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