雨のあとに
それから結婚式が三日後にあるというポスターが街中に張り出された。結婚式まではアレクの周りは厳重に警備されていて、アタシ達が近付ける隙はなかった。

けれど結婚式は一般公開されていて、誰でも式に参加できるみたい。お父さんとシーバーと話し合った結果、結婚式当日にギリギリまでレインに近付いて捕まえるという作戦になった。

そして結婚式前日の夜、明日の手筈を確認してからそれぞれの準備をしだした。アタシは特にすることが無かったから、外に出て街の中を流れる唯一の大きな川のほとりに座って涼んでいた。

『明日…か。明日で終わらせるかな?』

『終わるさ。』

ボソッと口にしたアタシの独り言に後ろからお父さんが答えた。

『き…急に出て来ないでよ、びっくりするでしょ。』

頬を膨らませて怒ると、お父さんは笑いながら謝ってアタシの隣に座った。しばらく2人で川の流れを眺めていると、お父さんは川を見つめながら口を開いた。

『雨、明日はレインに会えるね。』

『うん、そうだね。』

『明日は本当に雨も行くのかい?』

『どうしてそんなこと聞くの!?アタシはその為にここまで来たんだよ?』

『シーバー君から聞いた話では、雨とレインはとても仲がいいみたいだったから。明日は必ず戦闘になる。そうなればレインとも闘わなくてはならない。それでも行くのかい?』

お父さんは優しく、そして哀しい瞳でアタシを見つめた。レインと闘うなんてことしたくない!

だけどアタシはマサルドリアを出る時に決めたんだ!何が何でもレインを止めるって。

『アタシが必ずレインを助けてみせる。』
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