雨のあとに
ヒドい、こんな子供まで…。すぐに隊医が治療を始めたけど、薬が足りなくて大した治療もできなかった。それでもなんとかして助けてあげたくてワラにもすがる思いでレオン達に頼んだ。

『レオン、エレット、魔法とかで治せないの?』

『治療術を使うにはよっぽどの魔力がないと、これほどのケガは治せない。もっと早く助けてあげていればどうにかできたかもしれないが。』

レオンは諦めろと言うように悲しげに答えた。その時敵を追いかけて行ったディーンさんが帰って来た。

『村を襲った奴らを捕らえた。』

怒りに震えながらディーンさんに聞いた。

『どうしてみんなを助けてくれなかったの?』

ディーンさんはあたしと目も合わせようとしなかった。

『…先程も言っただろ。敵を逃がしてしまえば敵の正体が分からなくなる。そうなれば反撃も出来ん。協定を結んでいる以上、証拠がなければ人間共に手出しはできんのだ。』

『助かる命を見捨ててまで?』

答えようとしないディーンさんにあたしの怒りが爆発し、ディーンさんの頬を叩きながら怒鳴った。

『命をなんだと思ってるのよ!反撃なんて命より優先することじゃない。』
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