破れぬ誓い




「さて、と。遥、おめでとう。」


沖田さんがニッコリ笑って祝ってくれた。


「ありがとうございます。」

「今日から、俺らの仲間だな。」

「はい、よろしくお願いします。」



アタシは喜びを心の中で噛みしめた。

門下生もいなかったあの道場では作ることの出来なかった仲間が今初めて出来た。




「じゃ、怪我の手当てしねぇとな。」


沖田さんはアタシの手をそっと手ぬぐいで押さえた。

そういえば、手、怪我していたっけ。


思い出したとたんぶり返す痛み。




「あれ?泣いてる?」

「泣いてなんか…いません!」


いつの間にかアタシの目には涙が溢れていた。


痛み?


違う。


仲間が出来たことの喜びに涙が溢れた。


初めて出来た仲間が嬉しくて仕方がなかった。



「よしよし。」



沖田さんはアタシの頭に手を置いて撫でた。


いつもなら「ガキ扱いしないでくださいよ。」と言うところだが今日は違う。

いつも嫌だったこともなぜか嬉しかった。




アタシに初めて仲間ができた。









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