破れぬ誓い
「おーぉー。よく泣くな。」
「ふぐっ…えぐっ……。」
むにゅっと土方さんがアタシの頬を両手ではさむ。
「ら、らんれすか…?」
「いいや?」
意味ありげな含み笑い。
「お前のことこんなにまじまじと見たことなかったな。」
「…え?」
「紅い髪……。」
さらっと土方さんがアタシの紅い髪に触れる。
その目はとても優しくて思わずアタシも泣き止む。
「土方さん?」
「あ?」
「いえ……。」
後に続く言葉が出ない。
いつもの土方さんらしくない。
それが怖い。
気づきたくない変化。
一瞬不吉な予感が胸を駆け巡る。
嫌な胸騒ぎがした。