破れぬ誓い



「どうぞ。」


少し奥の部屋に通されたアタシ達。

薄暗い部屋は戦争中だから仕方ないとは思うがお世辞にも綺麗とは言えない。

軋む床板。あちらこちらに散らばる戦法の案を書いた紙。

その中に一つだけ綺麗に折りたたまれ、丁寧に机の上に置かれた手紙が一通。



「一体どうした?それにてめぇは・・・?」


怪訝そうに眉間にシワを寄せる土方さん。

男の人は「白田です」と名乗って手紙の方に歩み寄る。


「お二方は旅の途中でしたので受け取っていないはずです。」


と、真っ白な手紙を渡す。

よくよく見ればそれは2通だった。


「なんだ?これは。」

「どうぞ。これは本来お二方に当てられた手紙です。申し訳ありませんがお二方が此処に来る保証がなかったため読ませていただきました。」


うっすらと白田の声が暗くなっていく。




嫌な予感がする。







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