破れぬ誓い



総司の手紙に書かれた日にちは4日前を指していた。


「嫌・・嘘だよ。」


『5日生きられるかどうか』。

頭の中で響く言葉。


嫌、近藤さんを失って総司まで失うの?


冗談だよ。

きっと悪い冗談。




「はる・・・」


部屋に入ってきた土方さんがうずくまっているアタシを見て言葉を失う。

右手に握りしめていた手紙。

土方さんは優しくそれを抜き取る。


「読んでもいいか?」


コクリと頷いて顔を掌に埋める。



嘘。

絶対これは嘘。

死ぬわけない、別れるわけがない。


これ以上大切な人を亡くしたくない。



救いを求めるように土方さんを見る。

手紙を読み終わった土方さんの頬に流れる粒が、アタシに現実を突きつける。


「嫌だぁーーー!!」


アタシの叫びが響いた。

アタシの手紙は総司に読まれることはない。


アタシの手紙はもう。





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