破れぬ誓い

「ぐっ…ごめん…なさい。」


アタシは唇を噛みしめて男に向き合った。


男の刀がアタシ目がけて降ってくる。

大きく振りかざし男の身体が崩れた瞬間……



アタシは男の懐に入った。



「ごめんなさい。」



アタシは男の首筋を斬った。


「ァ～～～ァァッッ！！」


耳をふさぎたくなるほどの悲鳴。


しかしそれも長くは続かず、男は後ろに倒れ込んだ。


それはまるでスローモーションのように。

男は背中から倒れた。




「あ……あぁ…。」


アタシは自分に降りかかった血を手で拭った。


とたんにどうしようもない恐怖感がアタシを襲う。

羽織には鮮血が飛び、鉄の匂いが鼻を突く。